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テンプルバトン

ーテンプルバトンーその8-2(糸山公照)

【テンプル・バトン】その8-2(浄土真宗 糸山公照師)

皆さん、おはようございます。熊本県真宗大谷派光照寺の糸山公照です。
本日は、浄土真宗本願寺派の福山智昭さんより、「#テンプルバトン」という法話の数珠つなぎの法縁をいただき、以下、「ご縁」をテーマに法話をさせていただきます。

こんなときだからこそ、人と人とが繋がり、その「ご縁」をいただきながら、「アリガトウ」と感謝して、手をあわせ、生き抜いていきましょう!
それでは、ご法話に入らせていただきます。長文です。すみません。もしよかったら、お読みいただければ幸いです。

 

【講題】「たまたま行信を得れば、遠く宿縁を喜べ」

「一人いて喜ばば、二人と思うべし。 二人いて喜ばば、三人と思うべし。その一人は、親鸞なり。」ー 『御臨末の御書(ごりんまつのごしょ)』より
今、私たちは「見えない敵」と日々戦っている。東日本大震災の原発事故から、放射能という見えない敵ずっと戦っている先輩がいる。熊本地震が発生した直後、福島から車を走らせ駆けつけてくれた佐々木道範先輩だ。

「大丈夫か?糸山!今向かってるからな!何がいる?物資どれくらいいる?持って行くからな!独りでがんばんな!おれらもおっどが!」

嬉しくて涙が出たのと、同時に、俺は独りではないという勇気と元気が湧き起こってきた。この一言に救われた。ありがたい。本当にありがたい。「なんまんだぶ・なんまんだぶ」っと、福島の方角に手を合わせ、念仏申す私がいた。「ありがとう」は「有ることは難し」、有ることが難しいことがおこっているから、ありがとうなんだ。

熊本地震から4年が経った。
その間、本当に多くの方々との出遇いがあった。福山君は、「ご縁」を「奇跡」って言っていたが、出遇えたことが、まさに「奇跡」。地元の宗教者はもちろん、全国各地から熊本地震を機に助けにてきていただいたみなさんのお陰です。「ありがとう」の感謝の気持ちしかない。

 

「たまたま行信を得れば、遠く宿縁を喜べ」ー 『教行信証』「総序」より
本当にたまたま。なぜ、私がこのようなことを行うことになったのか。支援活動を続けているのか。それは、わたしなんかでは到底及ばない大きな力、すなわち、阿弥陀様の力としか考えられない。

 

「他力というは如来の本願力なり」ー『教行信証』「行巻」より
私は、「ありがとう」というとき、手があわさる。ありがとうと手を合わせるとき、右手の阿弥陀様(他力)と左手の自分(自力)が合わさって、「南無阿弥陀仏のいのち」の願いに感謝するのではないか。

 

「和顔愛語(わげんあいご)」
熊本地震後、僧衣から作業着に着替え、被災した家や避難所を回っていた。「あただれな?」「光照寺の公照君たい!」 「あ~若ぼんさんか!」と、なぜか、心がほっと落ち着き笑みをこぼす。
豊野町で、最後まで避難所として使われていた豊野公民館。
「早く、足ば伸ばして、ゆっくり寝れるごてなりたか~」と想いながらも、共同生活をよぎなくされていた。
仮設住宅に入ることができ、迎えた1年後。
「一緒に避難所にいたみんなと会いたかな~」ということで、『復興の集い』を開催した。地元の宮司さんや僧侶が集まり、 復興祈願法要と一周忌法要を務めた。2年目は、復興の集いだと被災した人しか集まれないから、地元のみんなでいっしょにやりたいということで、「復興祭」とした。3年目は、九州北部豪雨や北海道地震など全国各地で災害が続いていることから、『防災(亡災)・減災(言災)フェスタ』と名前を変えた。防災には、災害を忘れないという意味と減災には、災害を語り紡いでいくという想いを込めている。

今年で、解体されることが決まった豊野公民館。
熊本地震で被災した人々の心の支えになり、地域住民の憩いの場となっていた公民館への「ありがとう(南無阿弥陀仏)」の感謝の気持ちを込めて、支援活動を通じて、たまたま出遇った仲間と最後の防災・減災フェスタを開催する予定でしたが・・・新型コロナウイルス感染症が拡大している状況に鑑み、参加者の皆様の安全を考慮した結果、今年は中止となりました。

でも、2021年4月10日に「防災・減災フェスタ2021リベンジ」を開催します!
無事に開催され、被災地のみなさんに笑顔と勇気と元気を届けられることを願っております。

 

「一人いて喜ばば、二人と思うべし。 二人いて喜ばば、三人と思うべし。その一人は、親鸞なり。」

私には人を救うことはできない。悩み苦しんでいる人を繋ぐ「糸」として、ただ念仏者として歩んでいく。
出遇えた「ご縁」を喜び、笑顔とありがとう(南無阿弥陀仏)と感謝の気持ちをもって手を合わせる。
地域の人々と共に、「ご縁」紡ぎ導いてくださっている阿弥陀様と親鸞聖人に支えられながら、「なんまんだぶ、なんまんだぶ」と今ある、「いのち」をかみしめながら・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。
次のバトンは、とってもキュートで、その笑顔で海のように広くいろいろな人に幸せをとどけてくれる長崎市の浄土真宗本願寺派教宗寺小岱 海ちゃんにつなぎます!

海ちゃん、よろしくね!!
糸山公照

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