増田父娘書評3本立て

増田将之(仏教井戸端トーク主宰)

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、緊急事態宣言が発出されている現在、すこし読書できる時間ができたので、大切なお仲間の著作の書評をいくつか書きました。
また、娘もコロナの影響で学業が例年のようにできていないので、1冊だけ読書させて感想文を書かせました。今回は3冊、父娘書評です。

(父増田)「イマココごくらく 今此処極楽(ジュピター出版)」飯田正範著

まさに題名の通り「イマココ」という事の大切さを伝えたいと思いが著されている。飯田氏を知る人が読めば、ご本人をとてもよくイメージできる書籍ではないだろうか。
先代住職が亡くなり、自身が住職になる。
「この世は無常である。」という事はわかっているが、なかなか受け入れられない自身と向き合い「なまんだぶ」の世界に出逢い、ご縁の世界に生かされる有難さに気づかされる。
人間というのは、なかなか客観的に見つめる事が難しいものだと感じる。しかし、仏さんの世界に出逢った飯田氏は、自分を客観的に見ており、一人では生きられない、たくさんの関係によって自分があるという事が、この書籍から強く感じる事ができる。
決して「仏教とは?」という問いに対して難しい言葉で返すのではなく、自身の物差しでは測り知る事のできない、「仏さんの物差し」を感じることができ、等身大の人間と仏さんの世界を優しい言葉で、あたたかく感じる事のできる書籍である。
「なまんだぶ・なまんだぶ」飯田氏との出逢いに感謝しながら。

 

(娘増田)「英語でブッタ(扶桑社)」大來尚順著

私は父からブッタについてよく聞きますが、多く方の反応は、これといって別に面白いものではない。そうイメージする人もいるのではないでしょうか。私の世代は、仏教の思想・文化というものから離れている感じがします。 私は中学2年生ですが、同級生の中で将来、仏教に関わる仕事をしたいと言っている人を見た事がありません。確かに現代の若い人にとって、とてもつまらない存在かもしれない。しかし仏教=つまらないと思うのは、頭の中でつまらないと思い込み、興味を持とうとしないからではないでしょうか?
「少しだけ仏教の本を開いてみようか?」 そんな軽い気持ちでこの本を開いてみたらどうでしょう?
なぜ、皆さんにこの本を薦めようと思ったのか。それは読んでみて単純に面白かったからです。 今までの仏教本とは違う面白さがありました。仏教用語を英語で表すと、かえって読みやすく頭に入りやすいという著者の言うとおりでした。ビッシリ難しい日本語だらけの本よりも英語で楽しく読める本の方が興味をもてると思いました。 最初にも書きましたが、仏教をつまらないと思うのは、つまらないと思い込んでいるせいです。つまらないと決めつけずに1ページずつでも読んでみるのをお勧めしたいです。その気軽にめくった1ページがあなたを虜にするかもしれませんよ。

 

(父増田)「禅ってなんだろう(平凡社)」石井清純著

坐禅と聞くと、坐ったら瞬く間に何か悩み事やなんでも解決してくれそうなイメージを持つ人もいるかも知れませんね。しかし、残念ながらそうではないんです。
「永遠の今」ということに気づかせていただくのが禅の大切なところなのです。
その「今」という事に気づかせていただくために、自己を見つめる事が大切な坐禅に取り組むという姿勢がとても大切なのではと思います。 坐禅をするからといって悩みが消えるわけではないが、悩みが繰り返されるたびに自己を見つめなおす坐禅を行うというのは、とても大切なのではないか?と、この書籍から感じることができたのです。
自己を見つめるとは何であるか?
この問いにまるで禅問答のようにテンポ良く進行していく石井先生の言葉は、読んでいてとてもわかりやすく、禅堂にいるような「あじわい」になってくる。
もちろんこの書籍には、禅の歴史・文化も書かれており、石井先生の丁寧さがうかがえる何だかホッとする一冊でした。