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お寺が躍動するアートフェス「十夜フェス」

龍岸寺住職
池口龍法

■十夜フェス開催概要■
日時:2017年11月10日(金)~19日(日)
場所:龍岸寺(10日~12日)、宝蔵寺(17日~19日)、金剛寺(17日~19日)
アクセス:https://www.ju-yafes.com/access
チケット:https://www.ju-yafes.com/shop
公式WEB:https://www.ju-yafes.com/

「この世において十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」という『無量寿経』の言葉がある。この言葉をもとに「十夜法要」をいとなむのが数百年来の日本のならわしであるが、実際に十日十夜にわたってつとめられることはほとんどない。私は「経典の言葉をベースにお寺で十日間のフェスを実施したい」と思った。

2年前の夏、当時、京都造形芸術大学の4回生だった圓城史也氏に、私のこのひらめきを、「アート×仏教」のフェスという形でプロデュースしてほしいと依頼した。制作期間はわずか3ヵ月だったが、圓城氏は夢中でこの事業に取り組んでくれた。学生が何十人も関わり、京都市内の5ヵ寺を舞台に、「念仏体験を中心としたアートフェス」という前代未聞の仏事が実現した。

第3回目となる今年の十夜フェスは、金剛寺、宝蔵寺、龍岸寺の3ヵ寺で行われる。いずれも京都市内にあるごく普通のこじんまりしたお寺である。日頃は主に檀家の先祖供養の場だが、十夜フェスの期間はまったく別の顔を見せる。

金剛寺では六道輪廻をテーマにしたファッションショー「テラコレ」。宝蔵寺では人工知能の住職が登場する「STARBORZ」。そして私が住職をつとめる龍岸寺では、本堂をクラブハウスに模様替えして音楽のシルクロード体験「CLUB*SILKROAD」である。

面白いのは、フェスに向けて学生たちとじっくりと時間をかけてコラボレーションをするなかで、お寺が変わっていくことだ。金剛寺は十夜フェスに今年初参加なので今後どうなっていくのかわからないが、宝蔵寺は昨年から「仏教×人工知能」というテーマを継続的に取り組んできた結果、アメリカの宗教学者から高く評価され中国上海の宗教学会から招待を受けるまでになった。龍岸寺は昨年の十夜フェスで浄土系アイドル「てら*ぱるむす」が誕生し、アイドルがいるお寺として話題を集めて(しばしば炎上して)きた。音楽ライブもたびたび開催されるようになった。

今年の十夜フェスも、お寺の新しい魅力を引き出す場となるだろう。多くの人々にお越しいただいて、お寺が生き生きと躍動する時間を一緒に楽しみたいと願う。

十夜フェス情報詳細は下記を!
https://www.ju-yafes.com/