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テラ未来予想図2

[第一回]小池陽人さま

細川晋輔(ほそかわ・しんすけ)
1979年生まれ。松原泰道の孫。佛教大学卒業後、京都・妙心寺専門道場にて9年間禅修行。東京都世田谷区・龍雲寺住職。花園大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
臨済宗妙心寺派東京禅センター副センター長。妙心寺派布教師。NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』禅宗指導、『麒麟がくる』仏事指導。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

うちのお寺の年末は、除夜の鐘も関係者のみ、甘酒などのご接待なしの寂しいものでした。こんなにしんみりした鐘の音を聞いたのは、生まれて初めてかもしれません。年頭の大般若祈祷も例年であれば、多くの檀信徒の皆様と一緒に大般若経典の転読を盛大にしていたのですが、今年は僧侶のみの開催となってしまいました。
年明け早々には東京都や近隣の3県、また今では陽人さんのいらっしゃる兵庫県をはじめ緊急事態宣言が発令されることとなりました。言うまでもありませんが、感染拡大防止のため、また医療従事者の方々をはじめ、わたしたちの生活を守ってくださる方々のご尽力に応えるためにも、しっかり自粛していこうというのが、まずもって私の今年の目標です。

正月の「正」の字は、修正祈祷からきているという説があります。私はこの説が大好きです。新しい年の新しい月の新しい日の新しい一歩だけは、自分の目指す方向へ一歩を踏み出すことができる。正月の一月だけに許された特権のように思えるからです。

いつもとは異なる年始に、寂しい思いをしていたのですが、一方で素敵なニュースもありました。陽人さんの『須磨寺小池陽人の随想録』に、鎌倉の横田南嶺老師の動画がアップされたことです。私の話もありがとうございます。話はそれますが、私が平素仏事指導などでお世話になっている真言宗の守上人に、ご紹介いただいたのがご縁のはじまりでしたね。あの時は感染症防止のため、zoomの画面上での「はじめまして」でした。
YouTube法話で有名で、「超宗派のH1グランプリ」の発起人である陽人さんをぜひ紹介して欲しいという私の願いを守さんが、早速かなえてくださりました。今でも忘れないのが、YouTubeで有名な陽人さんのお部屋のネット環境があまりよくなく、度々画面が固まってしまったことでしょうか。それから円覚寺様でお目にかかり、いただいたカレーのスパイスも重宝しております。

横田老師には須磨寺での収録を終えてから、年末にお目にかかる機会をいただきました。そこでおっしゃっておられたのは、陽人さんの人柄や仏教に対する姿勢はもちろんのこと、映像を撮影・編集されておられる山端秀明様が素晴らしいということです。話し手に言いにくいこともしっかり言われ、一般的な視点から的確にアドバイスをいただける、そんな人が大切であると。動画を発信する場合、身内だけで盛り上がって、持ち上げ合っているようでは、人様に想いを届けられるものはできないことを教えていただきました。

この対話の企画を頂いた井戸端会議の増田さんに、800字くらいで「ほのぼのとした交換日記」と自分で注文をつけておきながら、すでに1000字を超えております。丑年である今年の私のテーマは「虎視牛行」としております。目の前のこと一つ一つをしっかりとみつめながら、着実な一歩を踏みしみていきたいと願っております。
この交換日記では、増田氏からは希薄になった寺檀関係、地域のお寺の存在意義、オンライン企画の将来性などについて意見を交換して欲しいと、ご指示を受けております。もちろん、それについてお話しながら、他に刺激をうけた事柄、好きな本、最近のニュースなど、ほのぼのと続けていければいいなと思っています。
最後になりますが、陽人さんの今年の抱負をお聞かせいただきたいです。くれぐれもご自愛ください。お返事まってます!

細川晋輔