【テンプル・バトン】その2(曹洞宗 安達瑞樹師)
仏教井戸端トークの増田さん、須磨寺の小池陽人さん、そして、私にやって来ました。
このような時期だから、Facebookで、僧侶の法話のバトンを繋ぎましょうと お声がけいただきました。
テーマは、「ご縁」
私は大学時代、よく寄席に通ったことがありました。落語が好きだった、と言うよりは、あの独特な雰囲気が好きでした。入り口ののぼり旗や赤いちょうちん。のれんをくぐると、そこは特別な空気に包まれています。一番太鼓が鳴り出すと、気持ちがワクワク。二番太鼓から前座上がりのお囃子、緞帳が上がるころには、観客は待ちきれんばかりの笑う臨戦態勢です。子供からお年寄りまで、人目も気にせず大笑い。泣くのか笑うのかどっちなの?噺家さんの絶妙な語りに引き込まれ、観客はみな、笑いの渦に溺れます。
私がこれだと思う寄席の真骨頂があります。それは、笑わしてやるぞ、という噺家さんの意気込みと、笑ってやるぞ、という観客の気持ちの掛け合い。そして、何よりも重要なのが、ふと、隣の人の笑っている顔を見て、つられて、また大笑いしてしまうことです。なんと、知らないうちに、自分の笑顔が、また誰かを笑顔にしているのです。私はこの笑いの「ご縁」がたまらなく大好きで、この繋がりが、支える支え合う、助ける人も助けられる人も平等に救われるという、お釈迦様がお示しになった「利他行」の教えに通じるところがあると思うのです。
いま、私たちの心は日々、不安に苛まれて止みません。メディアでは、新たな感染者の情報が絶えず、収束の見通しが立たない状況です。
毎日、笑顔で過ごしましょう、と言われても、これほど難しいことはありません。しかし、自身の笑顔が、また誰かを笑顔にしているということに気が付いた時、自然と私たちは、にこやかに微笑むことができるのではないでしょうか。
「笑う門には福来る」
まずは、ご家族で笑顔!ご近所で笑顔!道端で知らない人にも笑顔で挨拶!マスクしていても伝わります(^^)/さあ、皆さまの笑顔でウィルスをやっつけようではありませんか!
合掌
次はバトンを法話グランプリの本良敬典さんへお渡しします(^^)