◆第12回仏教井戸端トーク「海外仏教事情編」
日時:2018年2月20日(火) 19:00~(18:30~受付開始)
場所:浄土真宗本願寺派 築地本願寺 講堂
参加費:無料
登壇者:増田将之(総合司会)、横川広幸(パネルディスカッション・コーディネーター)、江田智昭、大來尚順、南條了瑛(パネラー、浄土真宗本願寺派)
2018年の仏教井戸端トークの初回は、築地本願寺で海外の仏教事情を知る僧侶たちによるパネルディスカッションを海外84カ国の寺院や仏教徒に仏具を売る横川のコーディネートで行いました。
今回は築地本願寺での開催だったことと、浄土真宗の僧侶だけに絞ったので、多少の偏りはあったかもしれませんが、その分浄土真宗ならではという部分がクローズアップされたかと思います。
大まかに当日の展開をまとめると、
イントロとして、
・欧米の指導的仏教者の3割はユダヤ教から改宗しているというデータが有る。
・近年、欧米ではDual Religious Belongings(複数の宗教に属していると感じる感覚)がトレンドになってきている。
といったあたりでまとめて、以降は
・海外の仏教徒はチベット仏教、上座部仏教、大乗仏教(主として日本仏教)という種類軸と、伝統教団、新興教団という歴史軸の間を自由に行き来している。
・(意識的、無意識的かを問わず)宗教に対する感覚が育成される環境の話。
・翻訳が難しく、再構築していく必要性もあること。
・ざっくりと浄土真宗を説明した時に多くの人が感じてしまう一神教との類似性に対する真宗僧侶としての対応。
・しがらみのない新しい土壌故に、新しい発想や想像を超えたところで仏教が利用されている例も多く、これらは逆輸入的に持ち込めるものもあるし、日本仏教に新しい息吹を与える可能性もある。
と言ったテーマでトークが途切れることなく、次々に進んでまいりました。
既にお三方には、海外で苦労した経験が、日本での布教の仕方に反映されている部分もあり、仏教初心者や浄土真宗初心者にとってはわかりやすい解説の仕方のすることができる方々だったのではないかと思います。
イベント後、登壇者だけで打ち上げをやったのですが、全員意見が一致したのが「時間が足りなかった」でした。
次回は今回の倍の時間で京都でやりたい!と盛り上がりました。やりましょう!これからの日本仏教には多少なりとも必要な部分だと思いますし。
最後に、今回は総合司会を務めた増田が、パネルディスカッションを通して聞いてみた感想を寄せています。
感想:
第12回仏教井戸端トーク(海外仏教事情編)を浄土真宗本願寺派・築地本願寺、講堂にて開催をさせていただきました。今回は海外において僧侶自身がどのように「伝道」をしてきたのかを実際に見て来られた、江田さん、大來さん、南條さん、3人の浄土真宗本願寺派僧侶と海外に向けて仏具を販売している、仏教井戸端トーク事務局長の横川さんの4人のトークセッションでした。
海外という場所で、仏教を伝道していこうとしたとき、とても言葉というのが重要であるとつくづく感じました。
言葉が通じない場所にいろいろ考えて試行錯誤するけれど結局の所、“言葉を磨き、思いというものを伝えていかなければならない”と改めて感じられるよい会になりましたが、総合司会の主宰の増田でありましたが、ほとんど“言葉”を発する機会がなかったため、この会の終わりの挨拶で長々と話してしまうというまたもや失態をしてしまい、4月のイベントではきちんとしなければと気を引き締める増田でありました。