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テンプルバトン

ーテンプルバトンーその13(増田俊康)

【テンプル・バトン】その13(真言宗 増田俊康師)

シャラナ東京でお世話になっている、浄土宗の東さんから受け取った「法話リレー」。お題は「縁」です。明日でいいと言われましたが、せっかちなんです(^^;)
次は浄土真宗の松本智量さんにお願いいたしました。

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【縁(えん、えにし):間接的原因。環境や周囲の助けなどを表す仏教語】

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NHK朝ドラ『エール』で、主人公・古山裕一(こやまゆういち)とヒロイン・関内音(せきうちおと)は、川俣町の教会で幼い頃、偶然会っていたことを思い出します。
「運命だよ!こんなちっちゃな時に出会って、また出会って、今また出会って!音楽だってそうだよ。きっと出会うよ。音楽が裕一さんをほっとくはずがない!」
お互いの意思を超えた、神の思し召しという意味でしょうか。関内家はクリスチャンで、また、教会でのシーンですから「運命」と言う言葉がしっくりときます。情熱的なヒロイン音らしいセリフです。
では、もし彼女が仏教徒だったらどうなるでしょう。
「縁よ。こんな小さな時に出会って、また出会って、今また出会うなんて。音楽と裕一さんもきっとそう。今生で再び合う。この強い縁が解かれることは決して無いわ」
二階堂ふみのアクが抜けて、宮崎あおいっぽくなります(ウソ)

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ちょうど今頃、アサガオの種を撒くと、夏にアサガオの花が咲き、ヒマワリの種を撒けばヒマワリの花が咲きます。しかし、実際に夏に花を咲かすためには、そこに条件がともなわないといけません。種は豊かな土壌や適度な気温、雨という良い条件に出合って花を咲かせ、悪い条件に出合えば枯れていきます。「縁」とはこの条件のようなものです。

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新型コロナウイルス拡散防止を進め、近い将来、終息を迎えるために、我々は何をすればよいか、世界中の人たちがそれぞれの立場で懸命に知恵を出し合っています。きっと人類はこの困難を乗り越えるでしょう。しかし、その後に私たちが笑顔の花を咲かせるためには、ウイルス終息だけでは足りない気がします。パンデミックで生まれたものが「コロナ離婚」や「自粛警察」では、犠牲者がうかばれません。

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刹那的になることで種を腐らせたり芽を枯らせたりするのはもってのほかですが、大輪の笑顔の花を咲かすためには、「ありがとう」「おかげさま」「おつかれさま」と言い合える良好な人間関係を、大切に守っていくことが必要ではないでしょうか。

まずは家族から、そして隣近所へ。地味な作業でありますが、いつも以上に意識して、相手の心の植木鉢に言葉の「良い縁」をあげましょう。効果が目に見えないと徒労感を覚えるかもしれませんが、大丈夫。見えない場所でしっかりと根が張られているはずですから。

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