※多角的に話をしたため「信仰の対象」という側面をあえて脇においた表現も含みます。ご了承ください。また、写真撮影は特別許可をいただきました。
◆第3回仏教井戸端トーク「らかんさんといっしょ編」
日時:2015年7月4日(土)
場所:五百羅漢寺
登壇者:佐山拓郎(浄土宗単立五百羅漢寺住職)、堀研心(同寺僧侶・学芸員)、加藤巍山(仏師)
司会:増田将之(浄土真宗、仏教伝道協会)
このお寺は江戸時代に建立され、元禄時代に松雲元慶禅師が托鉢をしながら数十年をかけて500体以上の仏像を作られました。その仏像群があるお寺です。洪水や火災、お寺の衰退などがあり、現在500体全てはありませんが、それでも関東の地で震災や戦災を免れて、300体以上残っているのは奇跡と言えます。受付のあとはお寺の僧侶(無垢品師)の案内で羅漢堂と本堂の説明を受けていただきました。
その五百羅漢寺で、仏像の話、仏像と地域をテーマに学芸員、仏師、僧侶の3人に集まっていただき、また会場からの質問を受けて話を進めてまいりました。
学芸員、仏師、僧侶。この三者は仏像に関わる人ですが、同時に見方、考え方の異なる人達です。こうして一堂に集まってもらうことで、多角的に考えることができたのではないかと思います。
・仏像と彫刻の違い。
・仏像に関わる時の気持ちの違い。
・信仰の対象と文化財
それぞれの立場から日頃考えていることをお話いただきました。堀さんは僧侶でもありますが、今回はあえて学芸員の立場に徹してお話しいただきました。
また、地域との関わりについては、昨年就任された住職のもと、五百羅漢寺では積極的に地域に関わっていこうとされています。そこでこれまでの発信力不足の反省と、また、今後積極的に地域と関わることにおいて、お寺側が感じている不安も聞けたのは貴重でした。そこで積極的にアイディアを在家からも求めたいという主旨のお話もありました。そんな中これだけの仏像を持つお寺「ならでは」のアイディアも飛び出しました。
五百羅漢寺さんは毎年数体ずつ仏像の修復をしているため、その修復費の捻出のために、都内では珍しく拝観料を徴収しているお寺となっています(300円。京都や奈良より安い!)。しかし、訪れればその圧倒的な仏像群を前に拝観料は納得プライスだと思うに違いありません。今回の仏教井戸端トークの参加費を通常より高めの設定にしたのは、修復費を含めたためです。
今回は台本の極端な逸脱もなく(笑)、コンパクトにまとまったと思います。会場設営等では若干の反省点もありました。これは次回に活かします。今回ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
次回は初の出張井戸端トークといたしまして、東京を離れて開催いたします。進捗状況としましてはテーマ50%、場所100%、日程0%の決定です。また話が進み次第、この場でご報告させていただきます。
*五百羅漢寺は通常は撮影禁止です。今回は特別に許可を得ております。